「キッチン回顧録」があるのなら、と「洗面カウンター回顧録」を思い立ちました。キッチン同様、洗面カウンターは私たちが設計して工務店さんに作ってもらうことが多いので、やはり思い入れのつよい箇所のひとつです。
第1回目は、先日竣工したばかりの「アトリエのある家」から。
洗面カウンターというと、人工大理石もしくは木などがオーソドックスな素材ですが、今回のカウンターには、フレキシブルボード(繊維強化セメント板)を使用してみました。コンクリートに似た質感ながら、うすい板であるせいか、見た目的に重くなりすぎない、どこか軽やかささえ感じられる材料です。
カウンター両脇の有機的な木目とフレキシブルボードの無機質な質感、だいぶ表情のちがう素材ですが、見た目では同じような重量感で、しっくりとなじんで見えます。さりげなくお互いの質感を引き立てあっているように思います。
ちなみにフレキシブルボードは、外部にも使用できる、水に強い素材です。
同じ「アトリエのある家」の玄関ドア脇にも使っています。
甘すぎず冷たすぎず、私たちのすきな材料のひとつです。