モンドリアンのなかの「近代」

『赤・青・黄のコンポジション』などの、近代を代表する抽象絵画を残したピエト・モンドリアン。初期には具象画を描いていたのが、徐々に変化して抽象画に到ります。15年ほどの短い間の変化です。この変化の過程を見ると、やはり『赤・青・黄のコンポジション』は偉大な到達点であるといわざるを得ません。
モンドリアンの生きた20世紀初頭には、建築の世界では、装飾において植物という具体的なモチーフを持っていたアール・ヌーボーの誕生から20年たたないうちにル・コルビュジェやミース・ファン・デル・ローエが活動を始めます。彼らの建築は「構成」という全く新しい抽象的なテーマに沿ってつくられていきます。この時期は、近代社会の、あるいは人類史上のもっともダイナミックな変革の時代であったのです。
モンドリアンの絵画の変遷を見ると、一人の人間の中にまるで当時の世界の変化をモデル化したかのような流れを見ることができ、そのあまりにも鮮やかなあり方が興味をそそります。