こどものころ、四畳半の自室でごろんと仰向けになって漫画を読むのが好きでした。ある日は五月の風を感じたり、ある日は雨の音を聴きながら、またある日は差し込む西日をよけながら。ラジオを鳴らしながら、カセットテープを聴きながら。とても昭和な風景。
漫画のかげにチラッと視界の端に入る天井、窓からの光、それらの風景全体がのんびりした気持ちにさせてくれていたように思います。
ところ変わって時も流れて、平成のわが家にて。
結局いまでもごろごろしてます。わたしたちふたり(石井と井上)の最大の共通点は、「ごろごろ派」であることです。こどもたちが小さいころ、連れて行く公園に新宿御苑とか大きな公園を選んでいたのも、こどもには遊んでてもらいながらこちらはごろごろできるからだったのかも。(最終的にはいっしょに走り回らなくてはいけないのですけどね。)
春先の晴れた日、大きな芝にシートを敷いてごろごろするのはほんとうに気持ちがよかった。でも小さな部屋でのごろごろも捨てがたい、高い天井も、低い天井も、ソファでも、お風呂でも...様々なごろごろ体験を通じて感じたそれぞれの心地よさは設計するときも心の中の物差しになっているようにも思います。
暖かな暖炉のそばでのんびりするのもいいですね。