軽量鉄骨造の設計では、ブレースが入る壁(=耐力壁)の配置がプランニング上の課題になるであろうことは先に書きました。これは木造在来軸組み工法と似たようなものです。私たちは木造の設計もたくさんおこなってきたので、その点はうまく対応できると考えています。
ブレースというのは地震時に建物に発生する水平方向の力に抵抗する斜めの部材で、木造では筋交いと呼ばれるものです。建築基準法では耐火建築物の設計時に必要な鉄骨部材をくるむ「耐火被覆」は鉛直力(=荷重)を支持する部材のみに施すこととされています。柱・梁のことですね。
軽量鉄骨造では、ブレースに耐火被覆が必要はないという点をうまく計画にいかしたいところです。私たちはこれまでもブレース、筋交いを見せることで、空間のつなげ、個性的な空間をつくる提案をしてきました。
これから展開する「設計事務所による軽量鉄骨住宅」でもブレースをデザインし、防火区画などで閉鎖的になりがちな耐火建築物のケースでも、設計事務所だからできる開放的な室内風景をつくりたいと思います。