このところの建築材料の高騰で、私たちもコスト的メリットのある提案が難しくなってきています。それでも4、5階建てや防火地域での計画(=木造では難しい)で相談をいただく頻度は変わらずあります。そのような方たちにどうにかしてこたえる方法がないかと考えておりました。
これまで私たちの鉄骨造は重量鉄骨のみでしたが、「軽量鉄骨造」での設計も始めようと考えています。
軽量鉄骨造の住宅は、いまは一部のハウスメーカー以外とり組んでいるところは少ないはずです。(メーカー以外では躯体のみを提供している会社が数社あります)その理由は、軽量鉄骨(部材の板厚6㎜以下)のみを使って躯体をつくろうとするとき、その制約を超えたメリットを得ようとすると、それなりの研究開発が必要ということだと推測しています。
私たちは板厚6㎜という区分けに意味を感じませんので、厳密な意味での軽量鉄骨造を目指すことは意図しておりませんが、取り回しの容易な部材を使用してつくる構造にいま可能性を感じています。
軽量鉄骨造のメリットは、
・重量鉄骨に比べ躯体費がおさえられる。
・建物の総重量が小さくなるため、基礎や杭を簡略化できコストをおさえられる。
・2階建てまでなら手運びで組み上げることができるため、狭小敷地や旗竿敷地でも建てやすい
・柱が細いため重量鉄骨のように柱型が邪魔になることがない
といったことがあります。
一方デメリットは、
・柱間隔4mを超えることが難しい。大空間がつくりにくい。
・基本的にブレース構造になるためプランニングや開口部の大きさに制限が出る。木造住宅と似たような設計上の制約が出るイメージ。
という点があります。間口の狭い敷地でビルトインの駐車場をつくることなど難しいところがあります。