見積書と格闘中

もう1ヶ月近く、あるプロジェクトの見積書チェックが続いています。建設会社に疑義を上げ、修正見積もりをまたチェックして疑義を上げ・・・この繰り返し。結果これまでの見積書を積み上げると厚さ10cm以上に。この間いろいろなことを考えます。これまでの経験から、見積書にはその会社の工事に対する姿勢がどうやっても透けて見えてしまう、ということを感じます。使用材料と労務費の量を細かく正確に計算して積み上げると金額がかさんでくるのが普通です。競争入札であれば見積りの精度をあげるほど不利になると言えるでしょう。しかし正確な見積りができる会社は工事も丁寧なのです。

見積書を読み込んでいくと、計算の仕方、語句の使用法などに「一貫性」を感じる場合とそうでない場合があります。一貫性とは自分なりのルールを徹底することであり、すなわち自身を律することです。こういった姿勢が実際の工事内容と無縁であるはずがありません。見積書には、金額の多寡以外に、施工者の質を判断する重要な情報がたくさん含まれているのです。

 

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どんな家を設計したいか?

どのような設計を目指しているのか、と聞いていただくことがあります。

出来るだけクライアントの要望を実現できる、土地の可能性を活かして、、、など言葉を費やしても、すべては文字にならない気持ちでいました。

ことあるごとに自問自答していたのですが、やっと言葉の形にしてみることができた気がするので、書き留めておきます。

「クライアントとの長年の親友になれるような住宅を、もしくはもう一人の家族になれるような住宅を設計したいと思います。」

 

 

ル・コルビュジエが設計した建築物の画像まとめより

ル・コルビュジエの「小さな家」。

学生時代に見に行きました。コルビュジエのお母さんがまだどこからか現れそうな雰囲気に、まるで友人の家を訪れているかのような気持になりました。ずいぶん長い時間滞在した記憶があります。

 

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青くぎらつく空

仕上なくてはならない図面の山はまだまだ高くそびえ立っていますが、久しぶりに時間をかけてゆっくりと近所を歩いてきました。

すいこまれそうな強い青色のぎらぎらとした空。
こどもの頃、夏休みの昼下がりにプールバッグを片手にぼーっとしながら歩ていた、その目の前にもおなじ青い空が広がっていました。

こどものときの記憶の余韻に浸りながら、ちょっとエネルギーを復活させてコンピューターの前にもどってきました。

 


暑い!!ですね

 

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近況

前回から少し間が空いてしまいました。
現在設計中のプロジェクトの追い込みで、せっせと図面を描き続けています。
図面の作業中は、描けば描くほど描きたいことは増え、近づいたゴールがまた遠のき。。。

とはいえ、図面作業の間にもブログに書きたいこともいくつか思いつき、下書きはいくつか書いたのですが、最後の校正までいきつけてません。。
いましばらくブログの更新は間遠になりそうですが、事務所は元気に動いてます!

梅雨の合間の日差しを受けて、ペパーミントも元気です!

 

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木々のちから

日差しが強くなり、木々の緑も一段と濃くなってきました。窓から大木の葉が揺れるのを見て、およそ20年前のこの季節に訪れたアメリカ・デトロイト市のラファイエットパークを思い出します。

 

ラファイエットパークは1960年前後にかけてミース・ファン・デル・ローエ(建築)、ルードヴィック ヒルバーザイマー(敷地全体の計画)そしてアルフレッド コールドウェル(造園)が中心となって計画した住宅地で、大きな公園のような敷地に、高層アパート、テラスハウス、庭付き住宅群が建てられました。公園のようにといっても、ラファイエットパークの建設当時は緑に使える資金はあまり残っていなかったそうです。それでも圧倒的な量の緑がほしい。それならば将来を見据えて苗木でもいいからと、とにかく数をたくさん植えたのだと造園を担当したコールドウェルは晩年に語っていました。私が訪れた40年後には苗木は立派な大木に育ち、敷地全体が豊かな林のようになっていました。

訪れた時に立ち話をした住人の方は「新婚時代に高層アパート、子供ができたら庭付きへ、子供が巣立ったらテラスハウスでのんびり暮らす。実際そうやって、この敷地の中で何度も引っ越す人が多い。」と話していました。多くの人が心地よく暮らせるように綿密に計画されたこの地ならではの話です。広大な敷地には大きな木々が茂り、高層アパートは緑を窓先から眺め、地面に近い住戸では木漏れ日を楽しむ。子供が木々の間を自転車で走りぬけ、老人は木陰を散歩をしていて、まるで木々が住人たちの人生を見守っているかのようでした。

 

木々と生活が一体となったような敷地の中で人々がライフステージに合わせて少しずつ移動しながら長く暮らすその住宅地からは、感覚に直接訴えてくる緑の圧倒的なパワーと理想的な住環境を考え抜いた近代建築の理論性のバランスが絶妙でとても新鮮な驚きを感じたことをいまでも強く思い出します。

 

建設当時のラファイエットパーク Show Me Detroitより

近況 neighborhood spotlight : lafayette park より

 

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