鉄骨住宅旧

 

  鉄の素材感・存在感を楽しむ家

「冷たくて硬い」「無機質」といったイメージの鉄。
しかし私たちがつくる建築に使われる鉄はすべて人の手で加工されたもの。溶接あとやボルト、塗装のハケ目など風合いのあるディテールや質感があふれています。鉄は、木やコンクリート、モルタルといった異素材ともよく調和します。
構造そのものが鉄である鉄骨住宅。その構造が目に手に触れないのはもったいない。
家の一番大事な部分をインテリアにしっかり見せる、それが家への愛着の始まりです。

 

 

強い重量鉄骨、
空間がつながる、視線が通る、天井が高い。
ワンフロア=ワンルームも。

鉄骨造は耐力壁を設けないつくりにもできるため、
相互につながる空間や吹抜けをつくりやすいという特長があります。
構造を工夫すればフロア全体を一室空間とすることも可能です。
壁で分断されずに空間をつなげることができる鉄骨造は開放的な家をつくるのに適した構造です。

 

 

 

 

都心でも広がりある空間を実現する、都市型住宅のノウハウ。

たとえば都会の小さな土地になるべく広い地下室をつくりたい、そのとき地下躯体は敷地境界に何センチまで寄せることができるでしょうか?
この答えは設計の参考書には書いていません。施工技術の限界点、地盤や建築法規の理解、断熱性能、デザイン・・・さまざまな要素を総合的に検討して初めて答えが導かれます。
石井井上建築事務所ではおもに東京23区内で、いわゆる狭小住宅を含む都市型住宅の設計を多くおこなってきました。小さな土地でもいろいろな経験があります。その経験で培った土地を使い切るノウハウと、無駄を生じない高度なプランニング技術はすべて、「広がりを感じる家」の実現に活かされます。

○都心部で3階、4階、5階建て住宅を検討中

○防火地域で賃貸併用住宅に建替えを検討中

○土地は小さいけれど二世帯住宅に建て替えたい

○ハウスメーカーに相談したけどプランが物足りない

○密集地で快適さがつくれるか心配

○間口の狭い土地だけど、どんな家が建てられるのか

といった方は、お気軽に石井井上建築事務所までご相談ください。

好きなまちに長く快適に住み続けたい、と思っている方に、広がりのある都市型鉄骨住宅をご提案いたします。

石井井上建築事務所 設計事例

 

 

構造を見せる家
石井井上建築事務所 都市型鉄骨住宅のコンセプト

 

無駄のないプランニングで
   大事なところにゆとりを。

 

都心部の限られた面積の土地でも快適な住宅をつくるには、廊下などの移動スペースを徹底的にコンパクトにして居住スペースにゆとりを与える高度で柔軟なプランニング技術が必須です。無駄の排除という意味では、すべてのハウスメーカーは工法の効率化のために寸法モジュールを採用していますが、狭小敷地では相当なスペースの無駄使いを引き起こしてしまい、コストにも影響が出ます。
多層化する都市住宅は高い耐震性能が求められますが、機能性・居住性を高めながら構造強度を確保することに難しさがある場合も多いです。たとえば間口の狭い土地で木造住宅にビルトインの駐車スペースを設けようとすると、耐力壁の配置がアンバランスになりがちです。鉄骨造、なかでも鉄骨ラーメン構造は、耐力壁は不要で、柱・梁のフレームと床版のみで構造強度を発揮するので、プランニングの自由度が高く、都市型住宅に適した構造形式といえます。

モジュールにとらわれず敷地にあわせた細かい調整ができる設計事務所のプランニング力と鉄骨構造、この組み合わせは快適な都市型住宅に適した家づくりの方法です。

 

「構造を見せる」ことには
メリットがある。

 

私たちが設計する鉄骨住宅では、できる限り柱・梁・ブレース(斜め材)といった構造体を室内に見せるようにしています。
その理由はいくつかありますが主なものは、
1)梁型を隠すための天井を張らないので高い空間になる。
2)鉄の素材がインテリアに特徴を与える。
3)見えるので、躯体のメンテナンス意識を維持できる。
などといったことです。
柱型や梁型は生活やデザインに邪魔なもの、とされることが普通ですが、鉄骨建築のそれは、RCマンションほど大きくはなく、設計技術とデザイン技術でむしろその家になくてはならないもの、に昇華させます。何より、構造というのは建築のもっとも本質的・不可欠な要素であり、古来よりの名建築に構造体と無関係のデザインは見当たりません。
整った構造体は空間にリズムを与えます。鉄の素材感は新建材にはない「本物」を感じさせます。

私たちが経験から導いた「構造体を室内に見せる鉄骨住宅」は、空間の有効利用・豊かな空間創造・躯体のメンテナンス性の観点から都市型住宅での合理的なデザイン手法です。

 

 

 

 

石井井上建築事務所
鉄骨住宅の技術・性能
 

 

 

『フルオーダー重量鉄骨の構造体』

メインのフレームはすべて重量鉄骨です。2階建てでもメインフレームに軽量鉄骨は使用していません。計画ごとに条件に適した構造システムを考案しています。ラーメン構造、ブレース構造それぞれ良さがあり、プランニングを進めながらどちらを採用するかを決めていきます。それらのハイブリッドをつくるときもあります。
製作する鉄骨工場はグレードを指定し、製作中の「工場検査」、工事中の「現場検査」を構造設計者とともに実施して品質を確認します。

耐震等級2以上を標準仕様としています。ご要望に応じて等級3とすることもできます。

モジュールや定型ディテールを持たないのでフレームの形状は自由に作ることができます。斜線や外観デザインに柔軟に応答します。

『幅350mm以上の地中梁 + 厚さ250mmの全面耐圧版』

基礎は幅350mm以上の地中梁を採用します。基礎の一番底には建物全体に渡る厚さ250mmの「耐圧板」という鉄筋コンクリートの強固な版を打つことで加重を分散させ単位面積当たりの接地圧を小さくします。不同沈下を防ぐと同時に、杭などの地業にできるだけコストがかからないようにする基礎形状です。

『地盤調査はボーリングを標準』

地盤調査はスウェーデン式サウンディングより詳細な地質データが取れるボーリング調査(標準貫入試験)を標準としています。費用は余計にかかるのですが、基礎、地業の仕様設定を精度高く行うことができるため、過剰設計にならず基礎工事全体としてみればコストダウンを図ることができます。

『外壁は厚さ100mmのALCパネル』

外装は様々な選択肢がありますが、コストパフォーマンスの良い材料として厚さ100mmのALCパネルをお勧めしています。
断熱材はスタイロフォームやアキレスボードのような板状のものを使います。外部の音が気になる場合は気密性をあげることができる吹付け断熱材を採用し壁の遮音性を高めます。

『床はALCパネル/コンクリート』

床版はALCパネル、コンクリートどちらとすることも可能です。2世帯住宅の世帯の境となる床は遮音性が必要になるためそこだけコンクリートにすることもできます。どちらも屋上床とすることができます。

 

 

 

鉄骨住宅設計事例

 

 

『寺町の家』

都心でありながら寺院や低層の住宅が多い地域に建つ鉄骨の住宅です。

これは長くこの地に建っていた木造住宅を建て替えたものです。

この建築は1階と2~4階で分かれた2世帯住宅です。

空が大きく感じられる開けた周辺環境を生かしたプランニングを心がけました。

寺町の家 →

All About記事「サンルームのようなリビングの鉄骨住宅[寺町の家]」 →

テレビ朝日「渡辺篤史の建もの探訪」2017年9月9日朝5:00~放映予定

 

 

『外を引き込む家』

都心の住宅地の一角に建つ鉄骨造の住宅です。

「できるかぎり床面積を確保したい」とのご要望より、
地階,1,2,3階,ロフトと、5層の床を斜線制限の許す範囲の建物外形の中に入れています。

外を引き込む家  →

 

 

『Simasima bldg.』

都心からすこし西の地域の幹線道路沿いに建つ鉄骨の住宅です。

1階には賃貸用の部屋を備えています。

コストを抑えるため柱・梁の単純な配列を目指し
6本の柱による「日」の字の平面形としました。

鉄骨の柱や梁型は耐火被覆にくるまれてしまうものの、
大きさを慎重に検討しながら極力形状を室内にあらわしています。

Simasima bldg.  →

『All About 建築家と家を建てる』でも紹介されています。読み応えのある記事です。

 

 

 

 

鉄骨住宅 ラフプランのご提案

 

 

建設を検討している土地にどれだけの建物がどのような形で建つ可能性があるのか、家づくりを本格的にスタートする前にみてみたいーーーそのようにお考えの方は、ぜひ私たちのラフプランご提案をご利用ください。

石井井上建築事務所では、設計依頼をご検討くださる方に、無料でラフプランをご提供しています。まず、お会いしてご要望をお聞くための打合せをします。そののち建設地を確認して、法規制などの調査をし、打合せ後10日程度で作成します。

プランとともに想定工事費、想定設計料もお伝えします。

ラフプランお申し込みフォーム  →

 

 

 

 

お問合わせ

鉄骨住宅についてお知りになりたいこと、設計についてなどお気軽にお問合わせください。

 お問合わせ電話番号

 03-5684-3620

 

 お問合わせフォーム

 こちら

 

 メールでのお問合わせ

 mail@ishii-inoue.com

 

 

 

 

鉄骨住宅を知る

 

『鉄骨造のメリット』

 

『鉄骨造のデメリット』

 

間取りの自由度が高い 

鉄骨造は、木造に比べ柱スパンを広く取ることができます。また、鉄骨造のうち「ラーメン構造」柱・梁のフレームが剛性をつくるため、木造でいうところの耐力壁がありません。大きな空間をつくったり、間仕切り位置を自由に設定することが容易な構造です。
一般の木造住宅のように間仕切り壁が耐力壁を兼ねていないため、将来の大胆な間取り変更が可能です。そのことは、ひとつの建物を長く使っていく意識をつくります。解体時にも鉄はほぼリサイクルされるのでサステイナブルな構造といえます。

 

耐久性に優れている 

耐久性という観点で鉄骨造を見たとき、一番安心できる点は腐朽がない、シロアリ被害がない、という点です。錆びが心配、という疑問もありますが、室内にある鉄骨材はその心配はほとんどありません。しかし屋外に露出している鉄部は塗装などのメンテナンスが非常に大事になります。また漏水が鉄を湿潤状態にするとさびが進行するので、その点も気をつけなければいけません。

 

材料の品質確保の仕組みが整っている 

鉄骨造は、その使用材料の素性を証明する書類提出や、溶接箇所の検査などが義務つけられています。材料の品質が安定していて、トレーサビリティが高い構造形式といえるでしょう。

 

RC造に比べ軽い 

鉄骨造は、RC造に比べ軽い構造です。軽さの何がいいかといえば、地盤に対する負荷が少ないという点です。地盤調査の結果、RC造なら杭が必要、鉄骨造なら不要、というケースもあり、そのときの建設コストの差は非常に大きくなります。コストメリットが期待できる構造といえます。

 

耐火建築物としてつくれる 

防火地域では3階建て以上、準防火地域では4階建て以上が耐火建築物を要求されます。鉄骨造は耐火被覆を施すことで耐火建築物として建てることができます。

 

熱に弱い 

鉄は、発火はしませんが、加熱で変形し、建物としての耐力が低下します。木造同様火災に対する注意は必要な構造です。

 

熱が伝わりやすい 

鉄は熱伝導率が高いため、室内と室外を貫通する使い方は望ましくありません。室内の熱環境を不安定にすると同時に、鉄材の表面に結露を生じる可能性があるからです。

 

RC造に比べ遮音性が劣る

重たく一体的な躯体を持つRC造に比べ、軸組みにパネルを張ってつくる鉄骨造はどうしても微細な隙間があり、壁の比重も小さいので、外界の音をさえぎる性能は劣ります。鉄骨造で遮音性を高めるためには、外装材にALC板のような比較的遮音性能の高い材料を使用した上で、気密性を高める設計上の工夫が必要です。

 

 

『コスト、工期 他』

 

鉄骨造の種類 

鉄骨造にはラーメン構造とブレース構造の2種類の形式があります。
ラーメン構造は柱・梁のフレームで地震や風圧に耐える構造です。ブレース構造は柱・梁の区画に斜め材を入れる構造で、その斜め材が引張力・圧縮力に抵抗し、建物を安定させます。
ラーメン構造はシンプルで構造体が邪魔にならない反面、ブレース構造より、材径が大きくなるのが普通です。

 

重量鉄骨? 軽量鉄骨? 

軽量鉄骨というのは材各部の厚さが6mm以下のものを使用する構造です。現在では、ハウスメーカーの工法のようにシステム化されたもの以外に軽量鉄骨を使用することは少なくなっており、設計事務所がつくる鉄骨住宅のほとんどは重量鉄骨を使用しています。耐震等級を設定して構造設計を行えば、どちらもそれを満たすことはできますので、どちらかが耐震的に優れているとはいえません。ただ、万一錆が発生したときには板厚のある重量鉄骨の方が有利といえます。

 

鉄骨造の熱環境

鉄骨造は夏暑いのでは、という声をよく聞きますが、これは単なるイメージ的な話です。どんな構造形式でも、断熱工事の性能設定で熱環境は決まってきます。ただ、鉄材は熱伝達率が高い素材なので、外気に近い箇所に使用するとヒートブリッジ(熱橋)になります。ヒートブリッジは特に冬に室内温度を下げる要因になり、また材に結露を発生し錆の原因になるので注意が必要です。その点で鉄骨造の断熱計画には難しさがあり、知識が必要です。

 

鉄骨注文住宅の工事

工場や事務所ビルと違い、鉄骨造の注文住宅を得意とする建設会社は、ハウスメーカーを除きそれほど多くはありません。なぜなら、木造のように現場で躯体に手を入れることができず、工事の段取りが細かく複雑になり、工事管理に経験と知識が必要だからです。ハウスメーカーと、建築家とつくる鉄骨住宅の違いは、特に内装工事でにあらわれます。ハウスメーカーは工期短縮・経費圧縮のためほとんどの内装造作を既製品でつくるのに対して、注文住宅では手作りの家具や建具を使用します。オリジナルでぬくもりがある住宅をつくることができます。

 

鉄骨住宅のコスト(坪単価)

鉄骨住宅のコストについてです。
石井井上建築事務所では建築コストを、
・基本建物
・外構工事
・空調
・造作家具

等に分けて試算を行います。
このほかに、2世帯住宅、形態の複雑さ、各階の高さ、土地の起伏、などを割増し要素として考慮することもあります。
坪単価とは、コストを感覚的につかむのに便利なものですが、条件が異なるケースが一緒くたに扱われることも多いので安易に飛びつくことは危険です。
基本建物(どんなケースでもかかるコスト)+ ケースバイケースの要素、の組み合わせの試算は初期検討としては十分な精度です。
東京都内であれば、鉄骨造の場合、上記基本建物単価は80万円/坪(税別)が目安になります。
ローコスト鉄骨造の実績もございます。「とにかくコストを抑えていいデザインの鉄骨住宅を建てたい」という方にもいろいろなアイディアをお伝えできます。

 

鉄骨住宅の工期

鉄骨住宅の工期についてです。鉄骨造と木造でそれほど工事に違いはありませんが、工期短縮できる部分としては、内部間仕切り壁の下地にLGS(軽鉄下地)を使う場合です。LGSを使用することで半月から1ヶ月の短縮が見込めます。30坪以内の単純な外形の住宅であれば4ヶ月工期を目指すことも可能です。

 

 

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