石井井上不動産_手書きスケッチについて

未来を描き、建築へつなぐ手描きスケッチ

―なぜ「手書き」なのか―

昨今、建築設計でも不動産でも、AIパースを用いた完成予想図をよく目にします。AIパースは精密で美しく、完成形を立体的に示すのにとても便利な一方で、細部が整いすぎてしまうためでしょうか、かえって画一的に見えてしまうことも否めず、「その土地にどんな空気が流れるのか」「暮らしの気配がどんなふうに立ち上がるのか」といった空気感や雰囲気までは伝わりにくいように思います。

反面、手描きのスケッチには、線の揺らぎや余白があり、そこに 光・風・緑・人の動きといった「気配のようなもの」が自然とにじみます。

揺らぎの効果なのか、手描きの絵には、「まだ見ぬ未来に、自分が主人公として入り込める」ような不思議な力があるように思います。余白があるからこそ「こうしてもいいかもしれない」「こんな暮らし方もできそうだ」といった見る人自身の想像が自然に広がっていくのでしょうか。

これまでも建築の設計時に多くのスケッチを描いてきました。それらのスケッチを前にする打合せでは、お施主と、より前向きにより具体的な生活像を共有することができ、設計内容もまた一段深くなっていくことを実感しています。

私たちが描く手描きスケッチは、単なる「味のある絵」ではありません。

20年以上、建築設計の打合せツールとして描き続けてきた実務の技術が詰まっています。正確さと曖昧さのバランス、打合せ内容の反映、構造や法規との整合性、など設計に大切な要素が多分に盛り込まれており、イメージの共有ということ以上に、設計に結びつき最終的な建物の完成形を導くための確かなツールとしての「手描きスケッチ」なのです。

土地探しのために描いたスケッチは、「どのような思いでこの土地を選んだのか」を伝えるために、他の建築家の方にお持ちいただいても構いません。そのスケッチが、お客様の家づくりを前に進める一助になるのであれば、私たちはとても嬉しく思います。

ただ、本音を言えば、リアルな建築の素材感やディテールの逆算でうまれるスケッチであり、その絵を現実のものにするには私たちが一番近いところにいますので、設計までをも見届けたい思いもありますが。

私たちは、土地の周辺環境や街の空気感を読み取りながら、お客様のイメージに寄り添ったスケッチを一枚ずつ描いています。
「ここでどんな暮らしがはじまるのか」を、温度のある線で、そして技術に裏打ちされた確かさで、描いてまいります。

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