アトリエのある家

アトリエのある家

東京都 木造2階建て 61㎡

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クライアントがはじめて「アトリエのある家を」と相談にいらっしゃったときにはまだ土地をお探し中でした。都心部でいくつか検討されたり少し郊外も見たりされながら、最終的に、ある商店街の一角に建てることになりました。

土地は防火地区にあり、3階建てを建てる場合には耐火建築物になり、木造の場合は柱や梁をすべて被覆することになります。結果、木造でも鉄骨造に近い金額がかかる上、柱や梁の木の風合いを見せることも出来なくなります。では、と鉄骨造を選ぶにはこの地の地盤が弱く、上屋が重くなる分、杭などでかなりのコストがかかりそうでした。一方で、商店街ということで建蔽率などの規制はゆるく敷地に目いっぱい建てられ、そうすると無理に3階建てを建てなくとも必要な床面積のある程度はとれるようでしたので、木造2階建てとし、準耐火建築物の建物とすることにしました。実際は2階分よりは床の面積が必要でしたので、足りない分は小屋裏収納を積極的にとることで補っています。

敷地の形をなぞるように目いっぱいに立てているので建物の平面形は完全な長方形ではなく、敷地の奥から道路側に向かって広がる台形になっています。この斜めの壁は、特に2階で壁に沿って長く渡された棚板の列により遠近法が強調され、高い天井高さともあいまって、より広がりを感じられる空間を演出することになりました。

1階はアトリエと、水廻りがあります。外部からスチール框ドアを開けて入るとすぐが土間床のアトリエで、作品を自由にかけられるように構造用合板で仕上た壁になっています。2階にあがるとLDKと寝室で、パイン無垢材のフローリングが、少しラフな表情を見せながらもリラックスできる雰囲気を醸しだしています。

1・2階の多くの梁と、2階から塔屋への柱、梁、筋交いが集まる部分を燃え代耐火として耐火被覆せずにあらわしました。この家の中心に近い位置で高い天井を支える木構造の柱、梁、筋交いが、視覚的にも、LDK、小屋裏収納、塔屋からなる空間を力強くつなげています。

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