木々のちから

日差しが強くなり、木々の緑も一段と濃くなってきました。窓から大木の葉が揺れるのを見て、およそ20年前のこの季節に訪れたアメリカ・デトロイト市のラファイエットパークを思い出します。

 

ラファイエットパークは1960年前後にかけてミース・ファン・デル・ローエ(建築)、ルードヴィック ヒルバーザイマー(敷地全体の計画)そしてアルフレッド コールドウェル(造園)が中心となって計画した住宅地で、大きな公園のような敷地に、高層アパート、テラスハウス、庭付き住宅群が建てられました。公園のようにといっても、ラファイエットパークの建設当時は緑に使える資金はあまり残っていなかったそうです。それでも圧倒的な量の緑がほしい。それならば将来を見据えて苗木でもいいからと、とにかく数をたくさん植えたのだと造園を担当したコールドウェルは晩年に語っていました。私が訪れた40年後には苗木は立派な大木に育ち、敷地全体が豊かな林のようになっていました。

訪れた時に立ち話をした住人の方は「新婚時代に高層アパート、子供ができたら庭付きへ、子供が巣立ったらテラスハウスでのんびり暮らす。実際そうやって、この敷地の中で何度も引っ越す人が多い。」と話していました。多くの人が心地よく暮らせるように綿密に計画されたこの地ならではの話です。広大な敷地には大きな木々が茂り、高層アパートは緑を窓先から眺め、地面に近い住戸では木漏れ日を楽しむ。子供が木々の間を自転車で走りぬけ、老人は木陰を散歩をしていて、まるで木々が住人たちの人生を見守っているかのようでした。

 

木々と生活が一体となったような敷地の中で人々がライフステージに合わせて少しずつ移動しながら長く暮らすその住宅地からは、感覚に直接訴えてくる緑の圧倒的なパワーと理想的な住環境を考え抜いた近代建築の理論性のバランスが絶妙でとても新鮮な驚きを感じたことをいまでも強く思い出します。

 

建設当時のラファイエットパーク Show Me Detroitより

近況 neighborhood spotlight : lafayette park より

 

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raining friday

ひさしぶりにしっかりとした雨降りですね。

私たちの事務所は駅に向かう裏道に面しているので、普段は、子供の声やら自転車の音などがよく聞こえてきます。でも今日はひっそりしています。時折、車の水はねの音が聞こえてくるくらい。いつもと同じ音量で流しているラジオの声が大きく思えます。

 

事務所では昨晩(というか今朝)ひとまとまりの図面を仕上げました。長く続く山脈の中のひとつの小さな山を登った、といったところです。

次の山を目指して早々に出発します。でもその前にちょっと一息。

 

今日の事務所風景

 

 

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リノベーションでのフローリング

冬にご近所のお宅から、長年使って痛んできたフローリングを張り替えたい、とお話がありました。当初あわせて温水床暖房を、と考えたそうですが、遠くない将来に建替えるかもしれない可能性もあるとのことで、やはりフローリングの張替えまでとするとのこと。

そこでお奨めしたのが岡崎製材のこちらのフローリングです。

thermo ash NATURAL サーモアッシュ ナチュラル

熱処理を施されたアッシュ材で薄いので、無垢材でも古いフローリングの上に重ねて張ることができます。古いフローリングをはがすとなると作業もコストも大変な工事になるので、張り重ねることができるのは大きなメリットです。そして薄くとも無垢材。肌触りはさらりとしていて裸足で歩くと快適ですし、床暖房のように部屋を暖めることはできませんが冷たさはかなり軽減できました。

このフローリングを施工してから4ヶ月ちょっと。その後他の部分のご相談で伺った折に、心地よいのでご家族が床を新しくした部屋に集まってくるとおっしゃっていただき、とてもうれしく思いました。

 

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色の検討中

進行中プロジェクトの外壁の色を検討しています。

最近は街の景観を整えるための条例が増え、建物の色についても規制がかかる地域が多くなってきました。今検討中のプロジェクトにも景観条例がかかっています。

そこで、使える色と使いたい色の重なるところを探しています。

ちなみに色の検討(特に外装材の)は自然光のもとで行わないといけません。

照明の光は、物の色に大きな影響を与えています。

事務所の玄関先に広げて検討中

 

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にきび

ちょっと前にほっぺたに大きなにきび(吹き出物??)ができてしまいました。

にきびを気にすると顔全体が気になって、丁寧に洗顔をしてみたりアイクリームをつけてみたり、といつもより時間をかけたケアをし始めました。すると、顔色もよくなってきたような気がします。あと一息でにきびも治りそう!

そんなこんなを通り抜け、「ああ、建築とおなじだなあ。」と思いました。

 

設計をしていても、一筋縄ではいきません。周りが建て込んでいて自然光を取り入れづらい、たくさんの要望をいっぺんにかなえるのが大変、、、など設計の間中、うんうん唸る状態がほとんどです。でもそうやってあちこちの方向から案を眺めて触って少しずつ改良して、という作業を繰り返していくうちに、みなで「これがよい!」と思えるものに育っていくように感じます。

 

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ジョージア・オキーフの家

BRUTUS5月号で、アメリカの20世紀を代表する女流画家ジョージア・オキーフの家が取り上げられていました。オキーフはニューメキシコ州に、荒野に建つゴーストランチの家と緑を育てるためのアビキューの家の2つの家を構え、行き来しながら晩年を過ごしたそうです。BRUTUSでは二つのうちのアビキューの家が紹介されていました。本人亡き後もまだ、オキーフの息遣いの感じられるような住まいです。BRUTUSの写真はここでは出せないので、載せられそうな写真を探してみました。

(共にimage-kinarino.ssl.k-img.comより)

 

住む人の命と一体になるような家、永遠の憧れです。

 

**5月の無料相談会、お気軽にお越しください**

 

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