不燃化特区、という制度

 

最近、建て替えの相談などで「不燃化特区」というものに触れる機会が何度かありました。都が進める「木密不燃化10年プロジェクト」で指定された地域内での不燃化建替え等の建築行為に対する支援の制度です。こちらで該当地域のおおよその位置を地図上で確認することができます。支援の内容は各区が決定しているようで、こちらには各区の特区サイトへのリンクがあります。基本的には木密=木造住宅密集地域が対象の制度なので、小さな建物が寄り添って建っている下町的なエリアが該当します(私たちの地元文京区を見てみると、下町の典型のような根津千駄木地域が現時点では支援地域外とされていますが、これは謎であり不満です)。区によっては既存建物の除却(解体)費用、設計費用、引越し費用の助成に加え、固定資産税・都市計画税の減免まで行っているところもあります。これがすべて適用されるとすればかなりの額になりますので、そのような地域で老朽化した家の建替えを検討されている方はチェックされることをぜひお勧めします。私たちの事務所では、土地・建物の規模をベースに助成額の試算も行っていますので、お気軽にご相談ください。

 

事務所について  設計事例  家づくりの流れ  お問合わせ

 

「伏見稲荷駅」プレスリリース!

 

昨年末より設計してきました京都・伏見稲荷駅(京阪電鉄)のリニューアル計画について、6月28日付の京都新聞などに紹介されました。→京都新聞web版記事

わたしたちは主に外観のデザインを担当しています。

この駅は千本鳥居で世界的に有名な伏見稲荷大社へのアクセス駅として、大変多くの外国のお客様にも利用されています。

観光のことを考えたり、駅の人の流れについて考えたり、私たちの普段の仕事とは違う視点もたくさんあり、大変興味深く仕事をさせていただいています。

 

事務所について  設計事例  家づくりの流れ  お問合わせ

 

木々のちから

日差しが強くなり、木々の緑も一段と濃くなってきました。窓から大木の葉が揺れるのを見て、およそ20年前のこの季節に訪れたアメリカ・デトロイト市のラファイエットパークを思い出します。

 

ラファイエットパークは1960年前後にかけてミース・ファン・デル・ローエ(建築)、ルードヴィック ヒルバーザイマー(敷地全体の計画)そしてアルフレッド コールドウェル(造園)が中心となって計画した住宅地で、大きな公園のような敷地に、高層アパート、テラスハウス、庭付き住宅群が建てられました。公園のようにといっても、ラファイエットパークの建設当時は緑に使える資金はあまり残っていなかったそうです。それでも圧倒的な量の緑がほしい。それならば将来を見据えて苗木でもいいからと、とにかく数をたくさん植えたのだと造園を担当したコールドウェルは晩年に語っていました。私が訪れた40年後には苗木は立派な大木に育ち、敷地全体が豊かな林のようになっていました。

訪れた時に立ち話をした住人の方は「新婚時代に高層アパート、子供ができたら庭付きへ、子供が巣立ったらテラスハウスでのんびり暮らす。実際そうやって、この敷地の中で何度も引っ越す人が多い。」と話していました。多くの人が心地よく暮らせるように綿密に計画されたこの地ならではの話です。広大な敷地には大きな木々が茂り、高層アパートは緑を窓先から眺め、地面に近い住戸では木漏れ日を楽しむ。子供が木々の間を自転車で走りぬけ、老人は木陰を散歩をしていて、まるで木々が住人たちの人生を見守っているかのようでした。

 

木々と生活が一体となったような敷地の中で人々がライフステージに合わせて少しずつ移動しながら長く暮らすその住宅地からは、感覚に直接訴えてくる緑の圧倒的なパワーと理想的な住環境を考え抜いた近代建築の理論性のバランスが絶妙でとても新鮮な驚きを感じたことをいまでも強く思い出します。

 

建設当時のラファイエットパーク Show Me Detroitより

近況 neighborhood spotlight : lafayette park より

 

事務所について  設計事例  家づくりの流れ  お問合わせ

色の検討中

進行中プロジェクトの外壁の色を検討しています。

最近は街の景観を整えるための条例が増え、建物の色についても規制がかかる地域が多くなってきました。今検討中のプロジェクトにも景観条例がかかっています。

そこで、使える色と使いたい色の重なるところを探しています。

ちなみに色の検討(特に外装材の)は自然光のもとで行わないといけません。

照明の光は、物の色に大きな影響を与えています。

事務所の玄関先に広げて検討中

 

事務所について  設計事例  家づくりの流れ  お問合わせ

団地の「空間」

連休の谷間であった今週月曜日、スペースデザインカレッジの2年生の見学会に同行してきました。行き先はURの技術・コスト管理部技術管理分室です。URの研究・展示施設で、予約をすれば誰でも見学が出来るそうです。いくつかの分野の展示を職員の方の案内付きで見せていただきました。一番印象的だったのは「集合住宅歴史館」の中に移築復元されている晴海高層アパートの住戸です。前川國男設計のこの集合住宅は1997年に解体され、その一部がここに保存されているのです。解体直前この建物を見に行った記憶がよみがえりました。そのときはもう内部を見ることはできなくて、今回初めてその住戸の空間を体験することができました。この集合住宅歴史館には、他にもいくつかの団地の住戸が保存されていますが、この「晴海」が際立っているのは、そこに紛れもない「空間」があることです。私はある時期前川國男の公共建築作品(東京文化会館など)をいくつか集中的に見た経験がありますが、それら以上にこの住戸空間には感銘を受けました。できるだけ戸数を稼ぐことが求められた効率重視の時代の公団住宅という建築に、よくこれほどの美的なものを盛り込むことができたと感心します。前川國男という建築家の才能をここに見ることができます。

 

事務所について  設計事例  家づくりの流れ  お問合わせ

 

都会を感じる街、台北


仕事で何度か台北を訪れたことがあります。私は台北の街は東京より都会っぽい、という印象を持っています。台北のどこに都会を感じるかというと、都心部にたくさんの人が住んでいる点です。台北の街はほぼ碁盤目状の道路が通っています。メインストリート沿いには大きな建物が建ちその1階部分はほぼ全てが商店です。上階は事務所として使われていることが多いようですが、住宅が入っているところも結構あります。大通りから街区内に入るとほとんどの建物は(上の写真のような)中層の集合住宅です。戸建て住宅というビルディングタイプはあまり見かけません。都心の貴重な空間を効率的に使い、都心ならではの利便性や楽しさを皆で共有しているかのようです。東京は住居地区と業務地区がはっきり分かれているので、毎日離れた2つの場所を行き来する人が多いですが、台北では職住の隔たりはずっと小さいはずです。住む場所の近くで仕事をすることが出来れば、昼夜地域の情報に多く触れるので、自分の街という感覚を強く持つのではないかと思います。私は台北の人々の表情に穏やかさや余裕を感じます。それは自分の街にいる、という安心感から来るものであり、そういうものが都会の人の顔ではないかと思うのです。

 

 

事務所について  設計事例  家づくりの流れ  お問合わせ