仕事で何度か台北を訪れたことがあります。私は台北の街は東京より都会っぽい、という印象を持っています。台北のどこに都会を感じるかというと、都心部にたくさんの人が住んでいる点です。台北の街はほぼ碁盤目状の道路が通っています。メインストリート沿いには大きな建物が建ちその1階部分はほぼ全てが商店です。上階は事務所として使われていることが多いようですが、住宅が入っているところも結構あります。大通りから街区内に入るとほとんどの建物は(上の写真のような)中層の集合住宅です。戸建て住宅というビルディングタイプはあまり見かけません。都心の貴重な空間を効率的に使い、都心ならではの利便性や楽しさを皆で共有しているかのようです。東京は住居地区と業務地区がはっきり分かれているので、毎日離れた2つの場所を行き来する人が多いですが、台北では職住の隔たりはずっと小さいはずです。住む場所の近くで仕事をすることが出来れば、昼夜地域の情報に多く触れるので、自分の街という感覚を強く持つのではないかと思います。私は台北の人々の表情に穏やかさや余裕を感じます。それは自分の街にいる、という安心感から来るものであり、そういうものが都会の人の顔ではないかと思うのです。